労働基準法の中でも質問事項の多い事柄をピックアップして簡単に解説してみました。

■ 詳しい内容をお知りになりたい方はお問い合わせください。

1 労働者の範囲は
2  労働者を雇い入れる際に注意するべきこと
3  労働時間、休日、休憩にはどのような規制があるか
4  宿直勤務とはどのようなものか
5  賃金についてどのような規制があるか
6  最低賃金はどのように規定されているか
7  安全および衛生上どのようなことに留意すればいいか
8  女性、18歳未満には特別の保護規定があります。
9   就業規則とはどのようなものか
10  労働者を解雇するときどのようなことに注意すべきか
11  備え付けなければならない書類報告などにはどのようなものがあるか
1  労働者の範囲は
労働者とは事業、または事務所に使用される者で賃金を支払われる者となっています。
パートタイマーも労働基準法上の労働者であり、一般労働者と同様に労基法が適用されます。                       
 
2 労働者を雇い入れる際に注意するべきこと
労働基準法では雇い入れに当たって労働条件通知書の明示を定めています。
これには労働時間、契約期間、賃金、退職に関すること、パートの契約更新に関することなどが書かれています。それぞれの項目について明示しなければならない事項が細かく決められています。 
 
 労働時間、休日、休憩にはどのような規制があるか
労働時間は原則として1週40時間、1日8時間(病院、介護、社会福祉施設で労働者10人未満は1週44時間、1日8時間―特例措置―)を超えることができません。この10人未満という労働者数の中にはパートさんも含まれます。
ただし、一定要件の元、変形労働時間制を利用することにより、1年未満の一定期間を平均して40時間とすることもできます。

休日は毎週1回または4週間に4日以上与えなければなりません。
また暦日で与えることを原則としています。しかし看護師等の連続3交替勤務のような場合は、
1、交替制が終業記憶に定められていること
2、交代性の番方編成が規則的に定められているものでその都度設定されるものでない
上の1、2を両方満たすことで、継続24時間あけばよいとされています。

休憩は労働時間の長さに応じた時間を必要とします。労働時間が1日6時間を超え8時間以内の場合、途中45分以上、1日8時間を超える場合は途中60分以上の休憩を与えなければなりません。6時間以内の場合はなしでもかまいません。

有給については日数等、労働基準法で定められています。
また
パートタイマーも有給が付与されます。
 
4 宿直勤務とはどのようなものか
労働基準法で宿直とは所定の勤務時間外における火災、盗難防止のための巡回、緊急の文書や電話の授受、または非常事態に備えて待機しているものであり通常の業務は殆ど行われないのが建前です。このほかに病院における医師、看護師の宿直および社会福祉施設には許可基準が別枠で細かく定められています。これらの宿直勤務を行うためには労働基準監督署長の許可が必要になります。一般的に、社会保険診療における基準看護の承認を受けている病院の病棟看護の宿直は基準看護の趣旨から見て宿直には該当しないものとして考えられています。
 
5 賃金についてどのような規制があるか
賃金の支払いについては労働基準法により「5原則」が定められています。

1、 通貨払いの原則
2、 直接払いの原則
3、 全額払いの原則
4、 毎月1回以上の支払い
5、 一定期日の支払い

時間外、深夜労働、休日労働に対しては割増賃金(時間外、深夜25%増。休日35%増)の支払い義務が生じます。使用者都合で労働者を休業させた場合には休業手当(60%)を支払わなければなりません。 
 
6 最低賃金はどのように規定されているか
労働者の労働条件のうちでも重要な賃金の最低基準、すなわち最低賃金については最低賃金法で規定されています。またパートタイマーも最低賃金法の適用は受けます。最低賃金は地域別、産業別に決められていますが、どちらか高いほうが適用になります。
 
7 安全および衛生上どのようなことに留意すればいいか
規模50人以上労働者を使用する事業場は衛生管理者および産業医(規模10人以上49人のところは衛生推進者)の選任ならびに衛生委員会の設置が必要です。

健康診断は人数に限らず常用労働者に対して「雇い入れ時」「および1年以内ごとに1回」の定期健康診断が必要です。また深夜業に従事する労働者は6ヶ月に1回の健康診断が必要です。
病院でのエックス線技師には6ヶ月に1回、電離放射線健康診断が必要です。

常時50人以上の事業所ではこの健康診断の結果を労働基準監督署長へ報告する義務があります。
 
8 女性、18歳未満には特別の保護規定があります
分娩予定日以前6週間(多胎妊娠の場合14週間)になると妊娠中の女性は休業を請求することができます。この請求を受けると使用者はこの女性を就業させることはできません。産前の場合は請求が要件となりますので請求がなければ出産当日まで就業させても違法になりません。
産後は女性の請求に有無に係わらず、すべて就業が制限されます。この就業制限の期間は原則として8週間であるが特例として産後6週間を経過した女性が請求した場合、医師が支障ないと認めた業務に就業させることができます。
また妊娠中の女性が請求した場合には軽易な業務に転換させなければならないことになっています。

18才未満の者を雇った場合には年齢を証明する書類(住民票記載事項の証明書)を備えていなければなりません。
 
9 就業規則とはどのようなものか
就業規則とは労働者がその職場で働くにあたって守らなければならない規律とか労働条件について具体的に定めた規則です。
大勢の労働者を使用する場合は労働条件がばらばらにならないように統一しておく必要があります。
労働者が組織的に働くための職場規律を成文化したものが就業規則と考えてください。

就業規則は事業所における法的規範でありこれをしっかり整備することは労使間の無用の紛争を未然に防止し労務管理の近代化等につながります。

常時10人以上の労働者を使用するときは作成、届出の義務があります。

就業規則には法律上、必ず記載しなければならない事項があります。また作成・変更に際しては労働者代表の意見を聴き、
開示することで効力が発生します。
 
10 労働者を解雇するときどのようなことに注意すべきか
労働基準法で制限(解雇してはいけない)されている解雇は主に3つあります。

1、国籍、信条等を理由とする解雇の禁止
2、労働者が働けない場合の解雇の禁止
(業務上の負傷、病気治療中で休業中お伸び治ったあと30日間、産前産後の休暇中およびその後30日)
3、労働者の申告、告発を理由とする解雇

上記、3つ以外で解雇する場合、30日前の予告か解雇予告手当(平均賃金の30日分以上)の支払いが必要になります。

もし労働者側に即時解雇されてもやむをえないような事由がある場合には労働基準監督署長の認定を受けて予告も予告手当もなしに即時に解雇することができます。これはどんな場合にも認められるのではなく、いろんなことを考慮し総合的に労働基準監督署長が判断します。
 
11  備え付けなければならない書類報告などにはどのようなものがあるか
1、労働者名簿 
  (氏名、生年月日、性別、住所、従事する業務の種類、雇い入れ年月日、退職年月日とその事由は必ず記載します。)
2、賃金台帳
3、出勤簿(タイムカード)

以上3を法定三帳簿といい、必ず事業所に備え付けることになっております。